校長挨拶

 県立和歌山商業高等学校、和商のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。校長の西上嘉人です。本校の紹介をもって、挨拶とさせていただきます。
 和商の創立は明治37年、1904年に遡ります。県内でも有数の長く、輝かしい歴史と伝統を誇る高等学校で、その卒業生は35,000人を優に超え、今も県内外各方面で活躍されています。
 校訓として「真理、正義、勤労、礼節を重んじ、良き社会人、力強い職業人を育成する」ことを掲げ、スクール・ポリシーでは「健やかな心身と正しく強い意志」や「コミュニケーション能力と他者を尊重し協働できる力」、「地域経済に貢献できる専門的知識と技術」及び「希望の進路に対応できる学力と社会人としての教養」の育成をグラデュエーション・ポリシーで謳っています。
 また、本校は県内唯一となる商業の専門高校です。普通科等の高校では学ぶことができない、もちろん中学校では学んだことがない、新たな学びと出会える高校です。
 その学びの一例として、簿記という授業があります。簿記は、企業等の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする特殊な知識・技能です。諸説ありますが、近代ヨーロッパ・ドイツの文豪ゲーテは、簿記こそ人類が発明した最も見事で、最も美しいものの一つであり、最高の芸術であると評したとも言われています。そういう簿記といった専門的な学びを10代から始められるのは、商業の専門高校である本校に通う生徒の特権と言えます。なお、本校で簿記を学び始め、その後、関西大学へと進学し、同学在学中に三大国家資格と称される公認会計士試験に見事合格した卒業生もいます。
 今、一例として簿記という科目について紹介しましたが、和商には、こうした学びを中心とした会計コースの他に、主として情報処理や地域産業について学びを深める地域情報コースの2つのコースを設置しています。商業の専門高校ならではの新たな学びとの出会いの中で、きっと自分自身の新たな可能性に改めて気づき、伸ばすことができるはずです。
 高野山を開いた弘法大師・空海は、「人間は誰もが胸のなかに、宝石となる石を持っている。一生懸命磨いて、美しく光り輝く玉になる。」という言葉を残してくれています。和商生一人一人がもっている豊かな可能性の中から、光り輝く才能を見い出し、磨きをかけていく、そういう一人一人の主体的な努力を、私たち教職員は全員で、全力で支えていきます。
 なお、こうした教育活動をより確かなものにするには、何より保護者の皆さん、同窓会の皆さん、地域社会の皆さんなど、関係各位の御協力が必要不可欠となります。未来を拓く、貴重な宝石である和商生一人一人を、周りの大人たち総ぐるみで、美しく光り輝かせていきたいと思っております。皆さん、なお一層の御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。